急性期リハビリテーション

以前には、脳血管障害で片麻痺などの障害を発症した患者さんは、安静、加療の後、リハビリテーションを行っていくという考え方が一般的でした。
最近では、急性期から無理のない範囲で可能な限り体を動かすことが、その後の機能回復に大変良いことが医学的に証明され、脳血管障害のリハビリテーションは急性期より開始することが重要であることが認識されるようになりました。

急性期リハビリテーションの目的

急性期とは、脳卒中を発症してから1~2週間くらいまでの時期のことです。
脳卒中を発症した後、重大な合併症が出ていなければ、入院した日または翌日からリハビリテーションを開始します。
急性期のリハビリテーションは「廃用症候群の予防」と、早期からの運動学習による「身の回り動作の早期獲得」を最大の目的としています。
安静が続くと、肺炎や筋力・嚥下機能の低下など「廃用症候群」といわれる合併症のリスクが高まります。これらは脳損傷による機能障害の回復を妨げます。
重症な方ほど発症直後は様々な管につながれ、麻痺などもあるためご自身で動くことが困難です。そのような方に発症早期から体を起こし、少しでも自力で活動する機会を提供することで、合併症を予防し、脳が賦活され残存機能の獲得につながります。
このように早期から積極的なリハビリテーションを展開することで、当院では直接在宅に復帰できるよう、個々のライフスタイルに応じた能力の獲得も目指しています。
急性期リハビリテーションの様子
急性期リハビリテーションの様子