脳血管内治療
脳血管内治療とは?
脳神経外科疾患の治療で「脳血管内治療」という手技が医療現場で拡がりを見せています。脳血管内治療とは脳の病気に対して、血管の中から治療する新しい治療法です。全身の血管は大動脈を介してすべて繋がっています。そのため、足の付け根や肘の内側の血管など、体の表面近くを通る太い血管からカテーテルを挿入し、大動脈を通じて脳の血管まで進めることができます。手術の際は直径2-3ミリメートル程のカテーテルの中に、さらに細い直径0.5ミリメートル程度のマイクロカテーテルを入れ、病気のある部位まで進めていき、様々な道具や薬品を用いて病気を治療します。カテーテルが足の付け根から脳に到達する様子や、病変の部位で治療や検査を行っている様子は、モニターをチェックしながら行われます。1990年代以降、マイクロカテーテルなどの道具の改良に伴い急速に広まり、さらに新しい治療器具や新しいテクニックが年々登場し、日進月歩で進歩した分野です。しかし脳血管内治療の歴史は40年程で、手術に比べて歴史の浅い治療法です。そのため、しっかりとした治療を行える専門医や病院が少ないのが現状です。
今までの治療法と脳血管内治療
脳血管内治療が登場する以前、脳神経疾患の治療法としては、開頭手術などの外科的治療、薬物投与などの内科的治療、病変部位を放射線で治療する放射線治療といった選択肢がありました。中でも、開頭手術などの外科的治療は今でも数多く行われており、治療効果が大きいのですが、一方で頭部を切開し頭蓋骨に穴を開けるなどの侵襲も大きく、患者さんの身体には大きな負担がかかっていました。
しかし、脳血管内治療が登場したことで、身体にメスを入れず少ない侵襲で、脳に直接触らずに開頭手術に負けない治療効果を期待できるようになりました。
しかし、脳血管内治療が登場したことで、身体にメスを入れず少ない侵襲で、脳に直接触らずに開頭手術に負けない治療効果を期待できるようになりました。
脳血管内治療の対象疾患
脳血管内治療は,下記のように多くの疾患の治療ができます
- 破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)
- 未破裂脳動脈瘤
- 頚動脈狭窄症
- 急性期脳梗塞
- 脳主幹動脈狭窄
- 脳動静脈奇形
- 硬膜動静脈瘻
- 脊髄動静脈奇形
- 脳腫瘍
- 鼻出血