急性期脳梗塞に対する脳血管内治療
脳梗塞とは脳の血管が細くなったり、心臓や太い血管から血流によって運ばれた血栓(血のかたまり)などにより、脳の血管が詰まってしまう病気です。脳の血流が無くなると脳の組織が死んでしまい、重大な後遺症を残す可能性があります。しかし、脳の血管が詰まってしまっても、数時間以内に再び血が流れるようにすれば、脳組織が死なずにすむこともあります。そのため、t-PAという血栓を溶かす薬を使って治療します。しかし、発症から4.5時間以内の患者さんしか対象にならず、また太い血管が詰まっている場合にはt-PAの効果が乏しいことがわかっています。そこでt-PAが無効であった患者さん、または発症8時間以内でt-PAの適応とならない患者さんを救うために脳血管内治療(脳血栓回収術)を行います。足の付け根の血管よりカテーテルを脳の血管まで挿入し、血栓回収用の専用の機材を使って血栓を回収し血流を再開させて、脳の組織が死んでしまうことを防ぎます。現在は、主に二通りの方法で血栓を回収しています。